1 水管理
農業には欠かせない【水】用水路から引っ張ればいい、パイプラインの蛇口を開ければ水は出るからいい、実際に農業をやってみるとわかるが、そんなに簡単ではない。水路の管理、ポンプ小屋の管理、管理は誰がやるのか、そんな問題が出てくる。水路の掃除、水路の除草、ポンプ小屋取水口の掃除、堰の管理、誰がやるのか、そうです当事者同士が分担していくのです。管理したからと言って人件費は発生しません、むしろ負担金を支払わなければなりません。電気代、燃料代、などなど。田植えから夏の間、毎朝田んぼの水管理しなければなりません。水のことが頭から離れることはありません。
2 除草
農業は草との戦いです。草との戦いは実際に猛烈な勢いで成長する草の脅威を体験したことがなければ理解できないでしょう。農業には決められた除草剤しか使えません。枯れればいいと、ホームセンターの安価な除草剤は使ってはいけないことになっています。ラベルを見ていただけるとわかるのですが、圃場には使用しないでくださいと書いてあります。除草方法は、除草剤だけではありません。ブーメランとも呼ばれるエンジン駆動草刈り機や歩行型のエンジン式草刈り機を使用することもあります。機械代金、燃料代、メンテナンス費用、負担はどんどん増えます。
3 人間関係
避けて通れないのが、人間関係。農地の管理は、近隣との協力があってこそ成り立つのです。農協とのかかわり、農地に接する家とのかかわり、農地のある集落の人とのかかわり。この人間関係は、意外とじわりじわり重くのしかかってくるものなのです。会社経営や個人事業よりも人間関係はディープになりがちで、昔からの慣習なども入り交じり、自分の意思が優先されることなく、従わなければならないことが多々あるのです。
ひとりでひっそり農業を営んでいくなんて夢のまた夢
自分や家族が食べる野菜を作っていくなら可能ですが、生業として農業を経営していくとなると理想と現実のギャップを目の前に突き付けられます。こんなはずではなかったと挫折、静かに撤退、もとのサラリーマンに戻ったという話も聞いたことがあります。夏、田んぼに出て草取り中に、熱中症で死亡なんてニュース、最近では少なくなりましたが、農業経験無いひとからすると、なんでそんな無理してと思うかもしれません。しかしながら、草は一斉に伸びるのです。一斉に伸びるスピードが尋常ではないのです。無理してでも除草しなければ、と脳裏をよぎるのです。
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